X線撮影装置
X線装置は低X線量で高画質を実現するために開発された、最新のフラットパネルX線検出器を搭載したデジタルX線画像処理装置です。
検査に応じて効率よくX線量を低減しながら、頭から足の指先まで全身の各部位が検査できます。
この装置は通常のX線撮影検査の他に以下の機能が搭載されています。
断層X線画像トモシンセシスを搭載
トモシンセシス(Tomosynthesis)とは、コーンビームCT再構成技術とデジタル画像処理技術を融合させたデジタル断層技術で、より正確な診断をサポートするアプリケーションです。
通常のX線撮影では重なってしまい不鮮明であった微細な骨折や病変も、管球(カメラ)が目的部位に合わせ角度を変化させながら重なりを避けて撮影をする事が出来ます。
微細な骨折線や骨梁など進展範囲を明瞭に確認できるため骨折範囲、骨折病態を詳細に把握でき、画像診断の向上になります。
治療後の仮骨形成過程などの経過観察にも有用です。
目的に応じて多断面の断層像を表示させることが可能になり余分な被曝を抑えることも可能です。
金属アーチファクト(画像の乱れ)の影響が少なく整形外科領域にて金属が埋め込まれた部位の状態確認にも有用です。
高精度な長尺撮影に対応
全脊椎検査や下肢全域の観察などをスムーズに行え、計測精度の向上により低線量で歪みの少ない撮影を行えます。
全脊椎撮影は学校検診で側弯症と診断された学生から円背(猫背)が気になる方まで背骨全体を撮影することで背骨がどれくらい曲がっているのかを診断·計測します。
全下肢撮影は変形性膝関節症の方やO脚、X脚の方の診断·計測を行います。
立った状態で撮影し、膝の変形による「足の軸のズレ」を計測します。
骨密度測定搭載(DEXA法)
当院ではDEXA(Dual-Energy X-ray Absorptiometry)法を用いて骨密度検査を行っています。
現在DEXA法は他の骨密度検査と比べて高い精度で評価されている方法で「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」において推奨されています。
腰椎(腰椎2番ー腰椎4番)と大腿骨近部の2カ所測定することでより正確な診断が出来ます。定期的な測定を実施し、骨粗鬆症の程度を把握して治療の効果判定を行います。
測定結果は、レポート形式にて見やすく表示できます。また腰椎正面と大腿骨近位部の測定結果を1つのレポートに統合して表示しているので画像データと共に総合的な結果分析などに活用いただけ、結果の管理も効率よく行えます。
骨粗鬆症とは骨強度が低下し、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患です。
骨強度は骨密度と骨質の2つの要因からなります。
骨粗鬆症になるとわずかな外力でも生じてしまう脆弱性骨折のリスクが高まります。
骨折しやすい部位は、椎体(背骨)、大腿骨近位部(股関節)、上腕、前腕、肋骨などで多く骨折により日常生活の質にとても影響します。
骨折は骨が脆くなるために起こる合併症で予防および治療が必要です。
特に女性においては閉経後エストロゲンの分泌が減少すること、ビタミン D 不足が原因で骨密度が低下しやすくなります。急速に骨量が減少していくのをくい止める必要があります。また、高齢者においては骨量の維持とともに転倒防止に気をつけることが重要です。
骨密度の低下を数値によって把握できる骨密度検査は、骨粗鬆症や骨折などの予防や診断の基盤となる検査であり、健康で活動的な生活を維持するために欠かせないものとなっています。
【自己チェック診断】
- 身長が若い頃に比べて4cm以上低下した
- 運動する習慣がない
- 体格はやせ型である
- 65歳以上である(女性) 70歳以上である(男性)
- 壁に背中をつけ、あごを引いたときに、後頭部が壁につかない
- お酒をよく飲む
- たばこを吸っている。あるいは吸ったことがある
- コーヒー·緑茶·紅茶を1日に3杯以上飲む
- 糖尿病、関節リウマチ、甲状腺の病気、慢性腎臓病のいずれかがある
- 若い頃に無理なダイエットをしていた・偏食をしていた
- 若い頃に比べて歯の本数が減った
- 家族に大腿骨頸部骨折をした方がいる
- 骨密度が低いと言われたことがある
- ステロイド薬を使用している
- 項目に多く当てはまった方は、骨粗鬆症になりやすい傾向がありますので 定期的に骨密度検査を受けましょう。